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トライポッド・デザイン株式会社 代表 中川聰氏

03:form S.Nakagawa 浴槽形状にこだわる

トライポッド・デザイン株式会社 代表 中川聰氏

「入浴中のくつろぎ」を誰にでも使いやすいというユニバーサルデザインの考えから発展させて形にしました。浴槽の中では入る人によって、またその時の気分によってなど姿勢の変化が必ずあるものです。しかしアフォーダンス(※物体の持つ属性が、物体自身をどう取り扱ったら良いかについてのメッセージをユーザに対して発しているとする考え)に基づき、浴槽というものを見直してみると、従来の四角い形の浴槽では単純に「湯につかる」だけの行為しかできず、自由な姿勢はとりづらいのではないかと考えました。そこで今回のRIZの浴槽は開発当初から「斜め姿勢」などさまざまな「姿勢」を考慮にいれ、最終的にさまざまな姿勢のパターンに対応できる許容性の高い形状を完成させました。


自分の心地よい居場所が見つけられる浴槽

また浴槽の形状自体が特徴的なので「入ってみたい」という気を起こさせ、実際に入ってみると子供、大人に限らず誰にでも使いやすい浴槽になっていることがわかっていただけると思います。まさに「自分の心地よい居場所が見つけられる浴槽」と言えるでしょう。膨らんだ部分にあるステップは出入りの際に使用できるだけでなく、子供が座ったり、大人が介護などの際に一緒に入ったりできるようにとさまざまな使い方を想定しています。添い寝のような「沿い座り」ができる浴槽です。「お風呂での対話」ができるというのは大きな特徴ではないでしょうか。浴槽に入る方の「探り」や「遊び」を意識して設計されているのでさまざまな使い方ができるようになっています。本来、毎日同じ姿勢でお風呂に入る人はいません。岩場の温泉などではどの場所が自分にとって一番居心地が良いか、無意識に探すのではないでしょうか。この浴槽はそんな入り方ができる浴槽です。


どこを触っても気持ちが良く、違和感を持つことがないフォルム

また安全性は徹底的に追求し、例えば「くぼみのある場所は深い」「膨らんでいる部分は浅い」「つかめる場所は手を置くことができる」など形に特徴をつけ、たとえ視覚に障害がある方でも認識し易いということを意識しました。
形状においては裸で入る場所なので「連続性」を意識し、どこを触っても気持ちが良く、違和感を持つことがないフォルムになっています。
また手すりも同様に安全性は追及し、さらに使用者が実際使用する際には「握る」行為だけではなく、多くの使い手が「手を置く」行為をとりやすい事にも配慮しました。立ち座りはもちろん、半身浴でのくつろぎ時に手を置く、移動するときにつたうことができるなどさまざまな「姿勢」に対応できる形状を導き出しました。
先日もRIZの展示などで浴槽の最終形を確認・検証させて頂きましたが、全体的に優しいフォルムでありながらも使う上での人間工学的要件に対してメリハリもついた形状になっており、私としても仕事の過程と成果に大変納得しています。


ノーリツ開発部から一言
お使いいただく全ての方が違和感のない形状であることを1つ1つ確認しながら浴槽やハンドグリップの形状を決定していきました。
4歳から69歳まで実に幅広い年齢の方々に、実際に座ったり触ったりしてもらいながら、3次元測定器や3D-CADを使ってできるだけ忠実に再現し、従来の開発とは比べものにならない肌触りや居心地のよさを実感していただけるものができたと思います。

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